これまで日本国内で確認されていないリュウモンサンゴ属の一種「Pachyseris foliosa」の大群落が恩納村沖の水深30~40メートル付近で確認された。
学術誌「Marine Biodiverrsity」が18日付でウェブ上に公開した。調査した琉球大学のライマー・ジェイムス・デイビス特命准教授は「学術的にも極めて興味深く貴重なもの。さらに調査を進めて、県に情報を提供し、近海のサンゴ保全計画を作成し、推進したい」と述べている。
発見されたサンゴ群落は東西に約150メートル、南北に約80メートル、ほぼ単一種で存在している。同種は、これまで東部インドネシア、フィリピン、パプアニューギニア北海岸とソロモン諸島などで確認されていたが、今回の発見で生息域の北限を更新したという。
デイビス特命准教授によると、1998年の高水温による大規模な白化現象によって、本島近海の多くのサンゴが死滅したが、水深30メートル以上では白化を逃れて生き残った可能性があるという。デイビス特命准教授は「沖縄の海はまだ分からない所が多い。今回の発見で、水深30メートル以上の深海にもサンゴ礁が存在する可能性を示した」とコメントした。
サンゴ大群落を発見したベントスダイバーズの大原拓代表は「何もない所を泳いでいたら、突然出合った。魚がいっぱい泳いでいて、竜宮城かと思った」と発見した時の様子を振り返った。
大原さんによると、サンゴ大群落は9月の台風17号の影響で大きな被害を受けた。現在は回復の動きも確認されているといい、大学の研究チームと協力して調査を進めている。