JAおきなわ(砂川博紀理事長)は太陽光発電を利用した売電事業に新規参入する。関連子会社が実施主体となり、集荷場や支店など農業関連施設の屋根を活用し、4月以降に事業を開始する予定だ。
初期投資、維持管理などを同社が請け負う「自己取得方式」の投資額は約4億2千万円。JA全農と三菱商事が2012年10月に設立した太陽光発電事業の新会社「JAMCソーラーエナジー合同会社」との共同事業も展開。合計で5・1メガワットの発電施設を整備する計画だ。
JAの100%子会社、沖縄協同ガスが実施主体となる。同社はこれまでに県内農業関連施設の耐用年数や発電規模などの調査を進めてきた。12年12月26日に開かれたJAおきなわの経営管理委員会で定款変更が承認された。沖縄協同ガスの総会で認定後、電気事業の実施が可能になる。
「自己取得方式」では、1施設当たり平均50キロワットほどの施設17件が調査済み。1施設で最大約300キロワットの発電能力を持つ施設もあり、合計で1・2メガワットになる。投資額は10~12年での費用回収を見込む。
一方、JAMC-は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を活用した農業・農村の活性化を目的に設立された。
所有する施設の屋根をJAMCに貸す「共同事業方式」では、JAおきなわは初期投資・維持管理費を負担することなく、売電収益の3~5%を得る。1施設で200キロワット以上の発電能力を有することが同方式を活用する目安になる。
JAおきなわの所有施設4件を含む計6件が調査済み。その中で最大の発電能力を持つ施設はJA所有の1件で、1施設で2・8メガワットを見込む。合計では3・9メガワットになる。
JAは屋根にパネルを設置することで屋内の気温上昇を抑制し、クーラーの使用量軽減による電力の節約効果にも期待する。JAおきなわの金城厳専務は「全農は脱原発を訴え、再生可能エネルギーを推進している。当然私たちも取り組んでいく。屋根も放置するよりは有効に活用した方がよい」と述べた。
(長嶺真輝)