東京商工リサーチ沖縄支店は3日、2011年度の県内企業利益ランキング(11年4月期~12年3月期決算の集計)を発表した。
対象となる純利益2千万円以上の企業総数は前年度比5・8%増の568社で過去最多となった。利益総額は2・5%減の850億1397万7千円となり、08年度の集計開始以来、初めて前年度を下回った。沖縄徳洲会(八重瀬町)が24・2%増の60億6400万円で、初の1位となった。
業種別では病院・福祉の躍進が顕著だった。利益総額が最も多い137億3143万円だったほか、対象企業社数が14社増え85社、増加数でも最大となった。
対象企業1社当たりの平均利益額は7・8%減の1億4967万2千円。赤字から黒字転換した企業を含めた実質的な増益企業は348社で全体の61・3%を占めた。企業数で5社、構成比で4・4ポイント、それぞれ前年度を下回った。
一方、減益企業は204社で全体の35・9%。企業数で28社、構成比で3・1ポイント、それぞれ前年度を上回った。
同支店は「一定のボリュームの利益は維持しているものの、デフレ化もあり、激しい競争を背景に各社とも大幅な収益にはつながっていない」と分析した。
同支店のデータベース登録企業約1万2千社のうち、特殊法人を除き、株式会社や医療法人、協同組合などの普通法人や財団法人を抽出。業種別社数は建設業の96社が1位、次いで病院・福祉85社、飲食料品・雑貨51社など。建設業は前年度から13社減少した。1社当たりの平均利益額では金融・保険・リースなどの7億2844万円がトップで、スーパー・デパートなどの7億2254万円、酒類・たばこの3億9019万円―などと続いた。
ランク1位となった沖縄徳洲会は、総合病院18施設を含む医療施設122件を構え、医療収入の堅調な伸びに加え、高収益体質も確立。調査開始以降11位、6位、5位と着実に順位を上げた。
2位はサンエーで9・3%増の60億400万円。食料品の廃棄抑制など商品管理を徹底した結果、粗利益率が伸び、増収効果もあり、前期に続き過去最高利益を更新した。
3位は沖縄銀行で1・4%増の51億2300万円。株式等関係損益の悪化に不良債権処理額の増加もあり経常利益は減少したが、法人税の減少で前期の大幅減益から持ち直した。
4位は沖縄電力で26・5%減の50億5千万円。燃料費や他社購入電力料、減価償却費の増加が響き、前年のトップから順位を落とした。5位は沖縄セルラー電話で1・9%増の50億3442万円。スマートフォン(多機能携帯電話)の販売台数増加などによる増収効果に加え、前期にあった設備の減損処理にかかる特損がなかった。
上位10社の利益総額は367億6119万円。全体の43・2%を占めたが、前年度から0・7ポイント低下した。