三が日米軍機運用、本土と相違鮮明 制限ない沖縄


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正月三が日に住宅地上空を飛行し、普天間飛行場に着陸するオスプレイ=3日午後2時40分ごろ、宜野湾市佐真下

 3日に始まった米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの飛行で、宜野湾市上大謝名地区で同日、68回の騒音を観測し、騒音最大値は97デシベルに上った。正月三が日の運用について、市内外から批判の声が上がる中、本土の米軍基地と県内の基地で運用の違いが鮮明となっている。

 宜野湾市によると、今年の三が日は、同市上大謝名で1日に37回、2日に41回の騒音が観測された。KC130空中給油機などの飛行が確認されている。2012年、11年も同様に騒音が観測されているが、過去5年間で見ると、三が日は09年が3回、10年が9回など、年によってばらつきもある。
 一方、米軍岩国基地のある岩国市は、米軍担当者と行政でさまざまな問題を話し合う岩国日米協議会で、正月三が日の飛行を停止する確認がなされており、1日の飛行はなく、1月2日の騒音発生回数は同市卸売市場で9回、3日は同市由宇町港で28回にとどまった。岩国市によるとメールで数件の苦情はあるものの、数的には少ないという。
 米軍横田基地のある東京都と周辺自治体で組織する「横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会」は毎年、年末にかけて同基地司令官と日本政府に要請書を提出している。東京都知事本局基地対策部が同基地に近い福生(ふっさ)市に確認したところ、正月三が日の飛行はなかった。
 米軍普天間飛行場周辺の米軍の運用について、2006年の日米合同委員会で合意された航空機騒音規制措置(騒音防止協定)は、「慰霊の日のような周辺地域にとって特別に意義のある日については、飛行訓練を最小限にするよう配慮する」と規定されているが、正月の原則飛行停止など、具体的な制限はない。これまで慰霊の日に飛行した事例もあり、騒音防止協定の「配慮」は形骸化し、オスプレイ配備後は拍車を掛けつつある。(池田哲平)