金城富美男氏の出演2作品上演 追悼公演で活躍しのぶ


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加那の対応に憤る船頭主役の新垣勝夫(右)と止めに入るハンドー小役の玉城敦子=八重瀬町中央公民館

 沖縄芝居「劇団与座」で約39年間、活動し2008年に他界した東風平出身の役者・金城富美男氏の追悼公演がこのほど、八重瀬町中央公民館で行われた。「伊江島ハンドー小」(作=真境名由康、演出=与座朝惟、演技指導=与座ともつね・与座喜美子)と「男の花道」(作=与座朝明、演出=与座ともつね)を上演した。

慈善公演などで地域へ貢献した金城氏をしたう多くの地元ファンらが鑑賞し、大きな拍手を送った。
 同公民館は金城氏が生前に2回、チャリティー公演を行った思い出の場所。「伊江島ハンドー小」は、冒頭でハンドー小役の玉城敦子と従姉妹マチー小役の知念亜希が情感を込めた掛け合いを披露した。
 金城氏が演じた船頭主には新垣勝夫が挑戦。愛する加那(与座朝奎)に捨てられた傷心のハンドー小が自殺を図る場面は、船頭主が急いで止めに入る。ハンドー小から事情を聞いて怒り、加那の元へ向かおうとする船頭主の人情深さを新垣が熱演した。
 ハンドー小の母役の与座喜美子、加那の父で地頭代(島村家)役の春洋一、村頭役の津波盛廣ら脇を固めるベテラン勢の存在感も舞台を引き締めた。