山本一太沖縄担当相は12日、上原良幸、与世田兼稔両副知事と県庁で会談し、那覇空港の第2滑走路建設の工期を7年から5年に短縮する県の要望に対して「技術的に可能かどうかも含めて(工期の短縮を)検討していきたい」などと述べ、政府内で前向きに働き掛けていく意向を示した。
一方、会談に先立って開かれた自民党県連との懇談会で、県連幹部が山本氏に対して米軍普天間飛行場の県外移設を求めたほか、市町村長との懇談会では、首長らが米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの県内配備の撤回を要求した。
仲井真弘多知事が会談予定だったが、急性胆のう炎で入院したため、両副知事が対応した。山本氏は2013年度沖縄振興予算について、県の要望する3045億円と同額を要求していくとし、予算成立に向けて「最大限に努力していきたい」と述べた。
喜納昌春県議会議長との会談では、普天間飛行場の県外移設について「私の立場でコメントできないが、政府全体として沖縄の皆さんの理解を得る努力をする中で方向性を決めるべきだ」と述べるにとどめた。
この後佐喜真淳宜野湾市長の案内で普天間飛行場を視察し、「普天間の固定化を避ける。その方向でしっかり取り組みたい」と述べた。
帰任前の記者会見で、28日に「オスプレイ配備に反対する県民大会」実行委員会や県内首長らが安倍晋三首相らに配備反対を訴える政府要請行動への関わりについて、「管轄外だが、(首相に直訴したいという)ご要望だけは官邸に伝えたい」と述べた。
山本氏は那覇空港、沖縄科学技術大学院大学、IT津梁パークなどを視察後、経済界代表らと意見交換。同日夜、帰任した。