県文化観光スポーツ部が15日発表した2012年(1~12月)の入域観光客数は、前年比7・8%増の583万5800人となった。そのうち海外は34・5%増の37万6700人で過去最多を記録した。
夏場に台風などの影響もあったが、前年が東日本大震災の影響を受けた反動増で3~5月にかけて大幅に増加した。県観光政策課の嵩原安伸課長は「震災から入域観光客数が回復し、ほぼ10年並みの水準となった」と分析した。
国内客は6・3%増の545万9100人。格安航空会社(LCC)の相次ぐ沖縄路線就航により、関東と関西からの誘客効果も全体を押し上げた。関西方面の修学旅行の需要も回復したとみられる。
外国客は航空路線の拡充や大型クルーズ船寄港などが寄与したことで好調に推移した。中国本土からは11年7月以降の数次査証(ビザ)開始に加え、北京―那覇線の新規就航などにより、2・1倍の6万9500人で過去最多となった。ただ、9月以降、尖閣諸島問題の影響で厳しい状況が続いているが、年末からは下げ止まりの傾向もみられる。
一方、海外客の4割弱を占める台湾は新規路線開設が寄与し、24・4%増の14万600人。香港は13・3%増の5万8千人、韓国が50・7%増の3万4200人でいずれも暦年で過去最高となった。
13年の見通しについて、県は「円安が追い風となり、観光客の増加が期待される」と予測した。今後一括交付金を活用し、観光が落ち込む時期の4~6月の誘客キャンペーンも全国で実施する。
12月単月の入域観光客数は前年同月比3・7%増の46万3400人で、3カ月連続で前年を上回った。内訳は国内客が3・2%増の44万6300人、外国客が20・4%増の1万7100人だった。