「沖縄を元気にする農業ブランド」の構築を目指しセミナーや若者の農場就労研修などを手掛けるNPO法人ウヤギー沖縄(沖縄市、近藤正隆理事長)は国内初となるコーヒー生産者団体「国産プレミアムコーヒー協会」を設立する。
生産農家の拡大をはじめ、栽培技術の向上を図り、沖縄発の国産コーヒーの普及、生産に努める。近藤理事長は「農家増という課題はあるが、沖縄はコーヒー栽培の将来性が高いと思う。農業発展と就労機会増の双方に期待したい」と話した。
ウヤギー沖縄は日本財団の助成事業として、2011年5月から県内各地で農業ブランドをテーマにセミナーや座談会を計22回催した。距離的不利の解消へ、農作物を加工して、全国他地域にはないブランド品を開発することを課題に挙げ、論議を重ねた。その結果、沖縄以外ほとんど栽培できない純国産コーヒーの展開を決めた。
これまで同NPO法人の名護、糸満両市の農園約2千平方メートルなどで栽培したコーヒーについて、首都圏で試飲イベントを実施してきた。好評で東京の大手シティーホテルが同ホテルのコーヒーショップで取り扱いたいとの要望もあるという。
国産プレミアムコーヒー協会は当初、同NPO法人の組織内の位置付けで、県内の生産農家24人でスタートする。台風被害などの影響でコーヒーの苗木は、まだ生産に必要な量の10分の1程度の栽培にとどまっているが、協力を募り、生産体制の向上を図る。
安定生産に伴い組織を独立させ、農家の収益増や県の農業振興に取り組む。栽培普及へ向け、宜野座村でコーヒーを栽培しカフェを経営する宮里直昌氏と連携するほか、日本コーヒー文化学会理事で、コーヒーに関する多数の著書がある堀口俊英氏の協力を得ながら国産コーヒー栽培の「教科書」の作成も目指す。
22日には、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで協会設立の記念シンポジウムを開催する。
(外間崇)