沖縄製粉(那覇市、竹内一郎社長)が初のアジア展開に向け準備を進めている。皮切りに2013年内に、香港と台湾へ小麦粉と黒糖のミックス粉などの出品を計画する。
竹内社長は16日、人口増の頭打ちをにらみ県内でのシェア拡大には限界があると見越し「東京では価格競争で勝負にならない。これから積極的に海外に展開していきたい。沖縄の食が外に出て沖縄が潤い、基地に頼らず生きていければいい」と意気込みを語った。
12年9月に、香港で開かれたアジア最大級の食品展示会「フード・エキスポ」に初めて参加。一般向けを想定したが、予想外に業務用の引き合いが多かったという。さらに12月の「ベーカリーエキスポ」にも出展、竹内社長自ら香港に赴き、海外の市場性を確認した。10月の台湾のフードエキスポにも参加した。
竹内社長は香港での体験を踏まえて「海外はスピードが早い。すぐに取引したいという業者もあった。アジアだと日本の小麦粉に対する品質への評価が予想以上に高い。東京だと値段勝負になるが、同じ輸送コストをかけるなら、インドなどの可能性も含めてアジアは将来的な広がりがある」と香港や台湾にとどまらず展開したい意向を示した。
香港への展開をにらんで沖縄製粉は16日、黒糖の買い付けなどで来県した香港の砂糖販売大手のタイクーシュガー役員に、小麦粉と黒糖のミックス粉などを提案した。ドーナツでも、いったん揚げた後で冷凍して輸送することも可能だとアピール。
タイクー社は、関連会社がキャセイパシフィック航空などの機内食のケータリングを担当しており、黒糖ミックスのパンを機内食向きだと評価。タイクー社のベニー・ウォン取締役は、もちもちとした食感のポン・デQミックスのドーナツがおいしく印象的だと語り、砂糖の配分を変更できるかなど興味深げに質問していた。