【糸満】バリアフリーの旅行を支援する一般社団法人「KUKURU」(那覇市、鈴木恵代表理事)は20~22日、障がいを抱える車いす利用者らを観光客として招き、課題や要望を聞くモニターツアーを開催した。
全行程中、看護師と介護ヘルパーが帯同し、体調を管理。初日と最終日は、旅行者が住む広島県の空港まで看護師を送迎で派遣するなど介護サービスを充実させた。旅行客からは「この人たちに任せれば(旅行も)大丈夫。また来たい」と好評を得た。
同ツアーは県文化観光スポーツ部が実施する「誰にでもやさしい観光地づくり形成事業」の一環。医療的管理を必要とする、高齢者や障がい者らが訪れやすい観光地形成を目指す。
今回は、2組の高齢者夫婦が県内の観光地を巡った。両夫婦とも、いずれかが重度の障がいを抱え、車いすを利用している。行程中、女性の看護師と男性のヘルパーが帯同し、トイレや風呂などを介護支援。移動は介護タクシーを利用した。
浜尾和之さん(83)の妻の知世子さん(76)は、昨年から半身不随で寝たきりになった。知世子さんは「こんなにきれいな海は見たことがなかった。気持ちが晴れた」と話した。
モニターツアーは来月も実施する。野津和徳理事は「モニターツアーを通して、介護を必要とする旅行者の意識や課題をくみ取り、今後に生かしたい」と話した。