「技術開発で産業創出」 農水振興で研究発表会


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県内農林水産関連の研究成果に耳を傾ける参加者ら=23日、那覇市の県市町村自治会館

 沖縄科学技術振興センター(米須清光所長)は23日、6次産業化や付加価値の高い新産業の創出を目的に、那覇市の県市町村自治会館で「沖縄県の農林水産業における技術開発~新たな農林水産業の未来を切り拓く」と題した研究発表会を開いた。

一般企業や教育機関、行政関係者など約120人が参加した。
 県農業研究センターの浦崎直也上席主任研究員は「近年ニガウリやマンゴーなどで他県産地の台頭が著しい」とし、「沖縄にしかない品種の育成が急務だ」と指摘。現在同センターは農産物の遺伝子配列の解読を進めており、「遺伝子情報を活用して社会変化のニーズや沖縄の栽培環境に迅速に対応できる育種システムを構築したい」と述べた。
 琉球大学熱帯生物圏研究センターの徳田岳准教授は木材を破砕するシロアリの特性に着目する。シロアリは木材の主成分であるセルロースを分解し、バイオ燃料として活用できるブドウ糖を生成するという。バイオ燃料生成の工場について、徳田准教授は「シロアリの分解酵素を使えば大規模なプラントはいらず、効率的な分解、生成ができる」と産業化に向けたメリットを指摘した。