人材派遣のATS(エイティエス、那覇市、中家輝勝社長)は、就職先の決まらなかった高校生らを対象に契約社員として県外で2年間採用し、その後正社員として県内で採用する機会を与える「県外版人材育成システム」を展開している。
既卒者は給料15万円をもらいながら、ATSの契約企業で働き、研修や資格講座などを受講できる。住居費や最初の航空費、講座の受講費などは同社が負担する。ビジネスマナーや社会人としての基礎を学びながら働くことができる。
2012年度の応募は12人。03年から同システムを始め、初年度は18人、次年度から30~40人ほど採用。リーマン・ショック後は受け入れ先の企業が激減したが、学生から応募があれば採用していた。スタート時から約100人近くが同システムに応募し、30人ほどが就職先を見つけ巣立ったという。
中家社長は「若者が進学も就職もせずアルバイトだけで空白の時間を過ごすのはもったいない。新しい経験をさせ、人材が育つことが結果的に沖縄、日本全体の経済力を上げることにつながる」と話した。
機内食サービスのTFK(千葉)で働く田場周弥さん(19)=うるま市出身=は「沖縄を離れて初めて学んだこともあった。この経験を沖縄に戻っても生かしたい」と話した。