環境機器メーカーのシャイニーボールホールディングス(糸満市、屋部幹男社長)は、東南アジアでセラミック浄水器の販売を拡大している。ベトナムでは学校や病院など公共施設を中心に導入が広がっており、既に浄水器は16件納入、注文契約も含めると25件に上る。
大型病院への採用も決まっており、5月からホーチミン市で組立工場を稼働する予定。今後はベトナム工場を拠点に近隣国へ陸送する予定で、3月末にはミャンマーに現地企業との合弁会社を設立する計画だ。
シャイニーボールホールディングス社は従来、中国などアジア展開を推進してきたが、現地拠点をつくり事業拡大を本格化させる。屋部社長は「ベトナムの工場を拠点に、将来的にはラオスやカンボジアへも展開していきたい」と今後の展望を話した。
浄水器は、セラミックの球体を充填(じゅうてん)したステンレス管に水を通すことで有害物質を分離、吸着する。フィルター方式だと交換が必要だが、同社の浄水器は水を逆流させて自浄する仕組みで、長期にわたり交換不要。フィルター方式よりミネラル分が多く残せるという。
ベトナム工場は部品を組み立てる拠点で、浄水器の心臓部分のセラミックは引き続き県内で製造する。ベトナムではもともと排水ビジネスでスタート。建設中の大型病院(1400床)での排水と浄水の両事業で採用も決まっている。
ベトナムでの本格展開に併せて、現地法人「シャイニーベトナムJSC」を立ち上げた。沖縄からも2人派遣している。本社の取締役部長で現地法人最高経営責任者(CEO)の徳嶺勝信氏は「沖縄発の製品がベトナムで認められた。沖縄からモノも人も出して、沖縄をアジアに広げたい。沖縄発のノウハウを外に出すビジネスも考えたい」と抱負を語った。(滝本匠)