郵便ポスト、震災で西表に漂着 南三陸町からと判明


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 【西表島=竹富】竹富町西表島北東部のユツン川河口付近に、2011年3月11日の東日本大震災で発生した大津波によって流された宮城県南三陸町の郵便ポストが漂着しているのを昨年12月28日、近くの住民が発見した。2月4日、日本郵便沖縄支社の職員が回収した。ポストは東北支社に移送する。

 活用方法は今後検討するという。
 郵便ポストには「セブン歌津」の標識が残っていて、南三陸町歌津にあったコンビニエンスストア「セブンイレブン宮城歌津店」に設置されていたものと判明した。同店は震災で被害を受け、現在はさら地になっているという。
 南三陸町と西表島の直線距離は約2400キロ。長い漂流を物語るように、ポストには貝類が付着し、中には海藻らしきものも入っていた。郵便物は入っていなかった。
 ポストは繊維強化プラスチック製で、高さ66センチ、幅33センチ、奥行き45センチ。大津波で支柱から抜けたものの、原型をとどめたまま波に流されて漂着したとみられる。
 日本郵便によると、大津波で宮城、福島の両県で253個の郵便ポストが流出し不明になっていた。北海道などでも発見例があるという。
 ポストを回収した同沖縄支社の島仲貞克係長は「たくさん人の思いが込もった手紙を受けて人の絆を結んできた郵便ポストが、遠く沖縄の地で発見されたことを思うと、感慨深いものがある」と話した。

英文へ→Postbox drifts to Iriomote from tsunami-hit Miyagi town

西表島に漂着した郵便ポスト(西表エコツーリズム協会提供)
ポストに残った「セブン歌津」の標識=4日、石垣市の八重山郵便局