事業「拡大」28% 12年度県中小企業実態調査


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 県中小企業団体中央会が12日までにまとめた2012年度中小企業労働事情実態調査報告書によると、主要事業の今後の方針では、28・1%の企業が「拡大・強化する」と回答し、全国平均を3・7ポイント上回った。

中でも卸・小売業は堅調な個人消費を背景に45・8%が「拡大・強化」とした。
 現状については、全体の13・3%が「良い」とした。「良い」から「悪い」を差し引いた景況感はマイナス27・7ポイントで、昨年より12・3ポイント改善し全国平均を1・3ポイント上回った。全国的にも東日本大震災の影響はピークを過ぎ、やや改善の兆しがある。
 「13年度の採用計画」は4・7%で、全国平均の3分の1以下にとどまった。
 今回初めて実施した60歳以上の高年齢者の雇用の有無では、県内は53・7%が「雇用している」と回答した。全国を21・5ポイント下回っている。
 雇用措置は、「再雇用制度の導入」73・1%、「定年年齢の65歳以上への引き上げ」17・2%、「定年制の廃止」7・5%―と全国と同様の水準だった。
 同中央会は「高齢者雇用確保の措置は整備されつつあるが、全国との格差は大きい」とし「少子高齢化の進展は全国より緩やかだが、年金支給開始年齢の引き上げや技能継承はますます重要になる」と指摘。高齢者雇用の促進を求めた。
 障がい者の雇用については17・8%が雇用していると回答。全国同様2割弱にとどまった。
 育児休業制度は52・9%が整備と回答。全国を1・2ポイント下回ったものの、実際に休みを取得した従業員の有無は14・5%が「いる」と回答し、全国を3・3ポイント上回った。同中央会は「運用面では仕事と出産や子育ての両立の仕組みが確立されているとは必ずしも言えず、制度導入に限らない柔軟な対応が各企業の課題」とした。
 調査は同中央会加盟1万余の企業から800企業を抽出。回答率は32・3%だった。