調査会社の企業情報バンク沖縄(豊見城市、山田泰生代表)は12日までに、2012年の沖縄本島内の不動産競売状況(農地除く)をまとめた。
年間開札物件は同社判明分で565件あり、落札は320件で落札率は56・6%。7億円超の大口物件もあった。件数ベースで18・1%が県外業者で、落札件数上位5位のうち2位と5位を占めた。落札者には、北海道の不動産業者や中国・北京市在の個人もいる。リフォームして中古物件として販売する例もあるという。
年間実績では、最低売却額の基準価格31億5812万円に対し、落札金額は60・2%増の50億5854万円となった。落札件数を地域別に見ると、那覇が226件、沖縄が206件、名護が133件だった。
落札金額を見ると、最も高かったのは那覇市壺川のマンションを7億5800万円(基準価格4億1472万円)で金秀建設(那覇市)。
次いで那覇市久茂地の通所介護施設を3億円(同1億3652万円)で個人が落札。3番目は那覇市おもろまちのホテルで、不動産業のコスモランド(大阪市)が2億8118万円(基準価格1億9061万円)で落札した。
落札累計件数を見ると、トップが不動産業の松樹(宜野湾市)の22件。次いで中古不動産のやすらぎ(群馬県)15件、大信開発(那覇市)7件、プラン沖縄(与那原町)7件、羽田総業(北海道函館市)6件―と続く。上位9社中4社が県外だった。
落札累計金額は金秀建設が7億5800万円でトップ。続いて松樹3億3765万円、個人3億円、コスモランド2億8118万円、やすらぎ1億5681万円。
企業情報バンク沖縄は「中小企業金融円滑化法の期限切れを3月に控え、中小企業を取り巻く経営環境は厳しい。市況低迷で住宅ローンが払えず物件を手放す個人も多い。13年も競売自体は高止まりの傾向にある」と分析している。
(滝本匠)