全日本空輸(ANA、伊東信一郎社長)が航空機を整備する「整備基地」を那覇空港に進出させる方向で県に打診していることが15日までに分かった。複数の県関係者によると、ANA側から打診があるほか、同空港内に整備工場のある日本トランスオーシャン航空(JTA、佐藤学社長)も既存施設の拡充を求めている。県は今後、新たな整備基地の建設に向けた調査を実施し、建設した場合は進出企業を公募する見通し。
実現すれば、那覇空港が国内外の航空会社や格安航空会社(LCC)の整備拠点となり、航空、物流のハブ化が進む。
県幹部によると、ANAは、羽田空港に次いで国内2位の航空ネットワークを持つ那覇空港の優位性に着目し、進出を検討している。また、沖縄の温暖な気候が塗装作業などに適している点もANA側が進出を検討する好材料となった。
JTAは自社航空機に加え、日本航空などの航空機を整備している。JTA関係者は「施設を拡充することで、安価な中国などの会社に負けない国際競争力を高めていきたい」と述べ、拡充によって県内の雇用を増やしていく見通しも語った。
整備予定地はJTAの整備工場がある空港の大嶺崎周辺になる見通しだが、航空自衛隊のパトリオット・ミサイル(PAC2)部隊の用地などもあり、手狭なため用地確保に向けた検討を今後進めていく。施設の利用形態や規模は未定。
新たな沖縄振興計画「沖縄21世紀ビジョン基本計画」は臨空・臨港型産業の集積による国際物流拠点の形成を目的に「航空路線の積極的な誘致活動を展開し、
航空物流ネットワークの拡充を図るほか、航空機整備基地など空港を基盤とする産業の立地可能性について調査・検討を行う」とし、需要の高いLCCの航空機の整備など、県内で事業の拡大を期待している。
(池田哲平)
英文へ→ANA asks the OPG to build a maintenance base at Naha Airport