ヤムイモ生産で連携 宮古島市・東農大・東急・宮古観光開発


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農業に関する産官学連携協定を締結する宮古島市の下地敏彦市長(右端)や東京農業大の大沢貫寿学長(右から2人目)、東急電鉄の杉田芳樹副社長(左端)ら=15日、宮古島市役所平良庁舎

 【宮古島】宮古島市(下地敏彦市長)、東京農業大(大沢貫寿学長)、東京急行電鉄(野本弘文社長)、宮古観光開発(鈴木雄二社長)の4者は15日、宮古島での農業と農業関連産業の推進に関する産官学連携協定を締結した。

それぞれの得意分野を生かして宮古島の環境に適した農作物の選択や栽培方法の確立、加工商品の開発などを進めていく。
 東急電鉄と宮古観光開発が同市下地に共有している農地約20ヘクタールの一部を利用するが、規模や開始時期などの詳細は16日の会議で話し合う予定。当面は、熱帯産ヤムイモの一種であるダイジョの生産・加工・販売に取り組む。
 東農大は1986年に同市城辺に「宮古亜熱帯農場」を開設し、亜熱帯作物の研究を進めてきた。東急電鉄は84年に宮古島東急リゾートを開業し、宮古観光開発は東急電鉄が開発したゴルフ場を経営するなど、宮古島市との関わりが深い。
 市は活動の周知を図るほか、技術確立後は一般農家への普及も担当する予定。東農大は種苗の提供や土壌などの改良に必要な試験の実施、東急電鉄は土地や農業機械、商品開発や販路開拓に必要な経営資源を提供する。宮古観光開発は、農場での実務を担当する。
 15日、宮古島市役所平良庁舎で調印式が開かれた。参加した東農大の大沢学長は「宮古の農業発展のために貢献できれば、連携はとても有意義になる。大学を挙げて、できる限りの支援をしていきたい」と話した。下地市長は「きょうは画期的な日。着実に事業を進めていきたい」と締結を喜んだ。