【交差点】大連で迎える2つのお正月


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 春節(旧正月)を祝う中国だが、新正月は3日間お休み。商店街やデパートは歳末商戦に続き新春の売り出しがあった。人々は気温がマイナス10度前後まで下がるこの時季、買い物が主な外出となり繁華街は大いににぎわう。私たちはこの人込みの中で新春気分を味わった。
 大みそかは近所の日本企業駐在員数人と100元ずつ出し合って爆竹と花火を買う。私は部外者だが毎年仲間に入れてもらう。日本で除夜の鐘を聞く時間を待って、人通りのなくなった大通りに爆竹と花火を仕掛ける。寒風の中、勢いよく天をつく花火と、走ってはじける爆竹の煙とにおいにむせんで行く年を惜しみ、来る年に希望を託し合って帰宅した。
 大連での年末は12月の第1土曜日の大連在住日本人家族1000人前後が参加する忘年会で始まる。日中の関係者が集まる大連中日友好協会の大規模な忘年会もある。開発区日本企業忘年会は160社300人近くが出席して19日に行われた。加えて私が参加しているサークル仲間や県人会の忘年会もあり、なにかと慌ただしい気分で12月を過ごした。
 中国人の最大の祝日である春節は今年は2月18日。1週間の春節休みとなり、多くの人々がそれぞれの故郷に向かい親せきを回って新年を祝う。大連市や開発区では毎年旧正2日から各所で音と光で夜空を飾る爆竹花火大会が開催される。
 私たちは遠くで響く打ち上げ花火の音に中国の春節を味わい春の訪れを感じ取る。
 (池宮城克子・ウチナー民間大使)