【チャイナ網路】「夜遊」の心得


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 台湾で「夜遊」と言うと、いわゆる夜遊びを指さないでもないが、通常は夜間のドライブをいう。車やバイクに分乗し、男女数人が夜を徹して郊外を走るというのがよくあるスタイル。若者らしい力任せの冒険行だ。
 今台北で注目のコースは、地名についた数字をたどるというもの。101ビルを振り出しに、二重疎洪道、三峡、士(四)林、五谷、六張犂、七堵、八里と巡り、九■でゴールする。台北県を2周半する500余キロの行程。午後10時に出発すれば、ゴールで日の出が拝める。
 暗い山道を行き、時には墓地にも踏み入るため、出掛けには土地神や無縁仏に断りを入れるのが肝要だ。
 自分の名が入ったものを身につけないのも鉄則。霊に名を知られると陰界に引き込まれる恐れがある。霊がヤマをかけてくることもあるので、誰かに呼ばれた気がしても、決して振り返ってはならない。
 心配な向きはガジュマルの葉を3枚持って行くといい。霊には人が認識できなくなるという。
 「夜遊」に欠かせないなかなか強力なおまじないなのだ。
(渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学助教授)
※■はにんべんに分