言語解析、沖縄発が好調 ジェットランテクノロジ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 ソフトウエア研究開発のジェットランテクノロジ(東京、野武浩社長)は、那覇市にある沖縄支店を中心に開発している言語解析システムの需要開拓で成果を上げ、全国に普及する大手のサービスに沖縄発の技術の活用が進んでいる。

昨年11月にドコモの人気サービス「しゃべってコンシェル」に提供を開始し、今年2月にはカーナビへの応用が決定。業績も伸長だ。ジェットラン社は事業拡大に伴い沖縄と東京の両本社制を検討。今後人員増を図り、2014年度の売上高20億円を目指す。
 言語解析システムは文章を単語や熟語に分割、分析し有用な情報を抽出する「テキストマイニング」という技術。同社は数千万語の語彙(ごい)を約1900部門に分類した独自の多機能辞書を基に、新語や流行語も解析。音声の解釈性能を向上させることにも成功した。複数の意味を持つ単語や通称、略称などの言葉の揺れを含む発話を的確に捉え、使用者の感情を分析する機能も整備した。
 話し手の意図を解釈し、適した解答を導き出す「しゃべってコンシェル」では、不適切な言葉の露出制限機能を盛り込み、高速で高機能な点がサービスの基盤として評価された。
 ジェットラン社は06年に開発拠点として沖縄支店を開設。現在約40人体制でシステムの研究開設を手掛ける。本社も合わせ8割は県内で採用し、開発のほとんどを沖縄の技術者が担当。沖縄は次年度には60人まで増員する計画。野武社長は「解析精度を上げるため沖縄の技術者が研究開発に力を入れている」と説明。スマートフォン(多機能携帯電話)が急速に普及する中、関連アプリケーションなどのサービス基盤としてさらに販路拡大を図る。(謝花史哲)