「尖閣の漁業権守れ」 県漁協組合長会臨時集会


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尖閣諸島周辺海域の漁業権協議をめぐる東京要請行動について協議する県内の漁協組合長ら=20日、那覇市の県水産会館

 県漁業協同組合長会(古波蔵廣会長)は20日、那覇市の県水産会館で臨時集会を開き、日本と台湾が進める尖閣諸島周辺海域の漁業権をめぐる協議で、県内漁業者の利益を守ることなどを求める東京要請行動を25、26の両日に実施することを決めた。

要請では従来から日本側が主張している排他的経済水域の地理的中間線を基本に交渉することも求める。
 東京要請は県と県漁業協同組合連合会を含めた3団体で行う。各団体の代表者ら約15人で、全国漁業協同組合連合会も現地で合流する予定。首相官邸、農林水産省、外務省、海上保安庁、県選出議員に要請する。要請団は現在大臣や官房長官らとの面談を調整している。
 この日の集会では、沖縄総合事務局林務水産課の島尻常次上席漁業監督指導官が日台漁業協定制定に関する現状を報告した。
 島尻氏によると、現在外務省は台湾との漁業水域協議の早期解決に向けて、2000年に発効した日中漁業協定の内容を日台間でも適応させる形で検討している。同協定では北緯27度以北に両国が共同で漁業資源を管理する「暫定措置水域」を設定しているが、尖閣諸島を含む北緯27度以南、東経125度30分以西は協定を適用していない。そのため、日本は中国漁船の航行を取り締まることはできないという。
 外務省は09年に協議が中断して以降、再開に向けて昨年11月に開いた第1回予備協議に続く第2回会合を28日に開く方向で調整している。
 島尻氏は「日中協定を台湾にも広げれば27度以南の水域を譲歩することになる。水産庁は沖縄漁業者の不利益にならないように話を進めたい。第2回会合には具体的な水域図が出る可能性もあるため、その前に行動を起こさないといけない」と警鐘を鳴らした。
 その他、組合長らからはマグロはえ縄漁業を中心に外国漁船による漁具の切断や盗難、それによる多額の被害が出ていることなどが報告された。
 古波蔵会長は「協議なので譲るものは譲る、譲れないものは譲れないと言うべきだ。実務的な協議に入る前に要請したい」と述べた。