【東京】県漁業協同組合連合会(国吉真孝会長)と県漁業協同組合長会(古波蔵廣会長)は25日、農林水産省に林芳正農水相を訪ね、尖閣諸島周辺海域の漁業権をめぐる日本と台湾との協議で、県内漁業者の利益を守ることなどを求める要請文書を手渡した。
従来から日本側が主張する排他的経済水域(EEZ)の地理的中間線を基本に交渉することも要望した。
国吉会長らによると、林氏は直接の所管は外務省とした上で、「地元の漁業者の頭越しに決めることはない。要望は承りたい」などと述べた。
一行は首相官邸で杉田和博官房副長官にも同様に要請。杉田氏は「官房長官に伝える」と述べた。国土交通省では北村隆志海上保安庁長官、国会内で県選出・出身自民党国会議員5氏でつくる「かけはしの会」(会長・西銘恒三郎衆議院議員)にも同様に求めた。
同組合長会によると、現在外務省は、台湾との漁業水域協議の早期解決に向けて、2000年に発効した日中漁業協定の内容を日台間でも適応させる形で検討している。日台間で適応すると現行では台湾に漁業を認めていない北緯27度以南の漁場も条件付きで台湾側に認めることになる可能性があるという。
28日にも日台漁業協議の第2回準備会合が行われる予定。
国吉会長によると、林氏は「準備会は事務調整の段階で、何かが決まるわけではない」などと述べたという。要請団は県を含めた3団体、計13人で構成。26日は外務省で鈴木俊一外務副大臣に要請する。