「厨子」の発展一目で 焼物博物館、8日から展示会


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1492年ごろに作られた中国産石材を使った厨子=2月20日、那覇市立壺屋焼物博物館

 那覇市は2月20日、市立壺屋焼物博物館で、市が購入した沖縄固有の骨つぼ「厨子」の内覧会を開いた。昔の職人が作った個性あふれる厨子の数々に、参加者から驚きの声が上がった。

 1番古い厨子は1492年ごろに、中国の石材で作られた。側面に沖縄戦時に銃などで撃たれたと見られる穴がある。
 中国産石材で作られた厨子はこれまで県内に11基あるのみで、琉球国中山王陵の「浦添ようどれ」内に納められているなど、一般の人が見ることはできなかった。190基の中からえりすぐりの厨子を集めた展示会が8日から同館で行われる予定で、一般にお披露目される。
 幅広い年代の厨子が一気にそろったことで、年が新しくなるごとに装飾が複雑になり色使いも鮮やかになるなど、発展の過程を一目に見ることができるのも特徴。同博物館の倉成多郎主任学芸員は「沖縄の人がいかに亡くなった人を大切にしてきたか分かる。多くの人に見てもらいたい」と話した。