「沖縄の夜明け」願う MONGOL800


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MONGOL800の(左から)高里悟、上江洌清作、儀間崇=那覇市曙(山城博明撮影)

 結成15周年を迎えるMONGOL800が2月20日、4年ぶり6枚目のフルアルバム「GOOD MORNING OKINAWA(グッドモーニングオキナワ)」(ハイウェーブ)を発売した。ストレートなメッセージを高揚感ある曲に乗せる表題曲をはじめ、沖縄の風土や基地問題まで多様な側面をまっすぐに見つめ「沖縄の夜明け」への願いを込めた全13曲。

同アルバムと1月に発売したベスト盤「800BEST」を携え、8日から全国ライブハウスツアー、5月から初のホールツアーに臨む。
 新アルバムは古典をフィーチャーした「KAGIYADE―FUU」に始まり、加藤登紀子に提供した「タユタウタ」や特撮ドラマ「ハルサーエイカー」主題歌の「Rise&Shine」なども収録。儀間崇(ギター)が詞と曲にウチナーを詰め込んだ「カマドー小(ぐゎー))」など多彩な曲を聴かせる。上江洌清作(ボーカル)は楽曲を製作した昨年を「復帰40年でいろんな人と話す機会があり、あらためて沖縄について考えることが多かった」と振り返る。表題曲には〈新しい風が吹く/時代は変わる〉と希望を込める一方、崇は「沖縄のいいイメージだけでなく影の部分も大切にしていきたい」と強調する。
 「Bugainbilly」は〈日本の平和を守る為に/アメリカさんの基地がある〉〈戦争しましょう そうしましょう〉と歌う。「聞き手が違和感を覚えれば判断材料になる。〈ウェイクアップ・ウチナーンチュ〉という詞をどう感じるか、人それぞれでいい」と清作。「沖縄以外でも地元に置き換えて考えてほしい。沖縄が立ち上がり、何か一つ変えられたら『うちもできる』という一つの力になる」。
 「ミュージックステーション」で「ノー・オスプレイ」と書いたシャツを着て演奏した。清作は「せっかくの生放送なので(全国の人に)考えるきっかけにしてほしかった。『日本、米国、中国のどっち寄りなんだ』と聞かれることもあるが、沖縄寄りだ。沖縄の考え、目指す場所、地元の声を聴きたいといつも思っている」と語る。清作はジャマイカのレゲエを挙げ「琉球民謡も世界で聴かれるポテンシャルを持っている。本土並みを意識して足並みをそろえようとしたら、そこが限界になってしまう。日本より世界に目をむけ、特に若い人はちょっと踏み外すぐらいがいいと思う」と語る。
 ツアーが始まる。「ホールから7月の武道館公演につなげていきたい。15年間のご褒美と思って楽しむ気持ちで臨みたい」と語る。アルバムは2500円。8、9日のライブハウス公演はチケット完売。5月18日の沖縄市民会館大ホール公演は23日発売。
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