「これから正念場」 被災地勉強会、高田さんが体験談


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
高田睦史さん

 東日本大震災で受けた被害の現状を知ってもらおうと「被災地のいまを知る勉強会」(NPO法人みちのくふるさとネットワーク主催)がこのほど、与那原町コミュニティーセンターで開かれた。

岩手県大槌町で2011年7月から1年半の間、支援活動に取り組んだ同ネットワーク理事の高田睦史さん(26)=西原町=が、活動を踏まえて気付いた課題や問題点を指摘し、その事例報告を行った。
 高田さんは震災後、被災地のことがどうしても気になり、何も手に付かないため仕事を辞めて被災者支援ボランティアとして大槌町に入った。三つの電話相談を掛け持ち、仮設住宅や被災住宅の訪問を繰り返した。
 24時間受け付けた電話相談では、亡くなった人の姿を深夜に感じてしまう人や、被災者の「死にたい」という訴えに向き合った。
 さまざまな支援策が次々と打ち切られる現状に、高田さんは「被災者は今、気軽に相談できたり、つないであげたりする、寄り添った長期的支援が必要だ。まだ2年しかたっていない。阪神淡路大震災では2年目で自殺者が倍増した。これからが正念場だ」と訴えた。
 同ネットワークは、勉強会(報告会)開催の希望があれば、民間、行政を問わず対応する。問い合わせは(電話)080(1735)3397、高田さん。