最高裁が「違憲状態」と指摘した選挙区のまま、2012年12月に行われた衆院選挙は違憲として、那覇市の林朋寛弁護士(37)が県選挙管理委員会を相手に沖縄1区の選挙無効を求めた訴訟の判決が26日、福岡高裁那覇支部であり、今泉秀和裁判長は小選挙区の現行区割り規定を「憲法の投票価値の平等に違反している」として違憲判決を言い渡した。
選挙を無効とした場合に生じる混乱を避けることを理由に、無効請求は棄却した。
林弁護士は「投票価値の平等について踏み込んだ判決をしていない」として即日上告した。
議員1人当たりの有権者数が最少の高知3区の1票と沖縄1区を比べると、格差は1・27倍に上り、沖縄1区の投票価値は0・78票となっている。
判決は、最高裁が「違憲状態」との判決を下してから約1年9カ月の間に格差是正をしないまま、昨年12月、衆院選を実施したことを指摘。国会の対応について、格差を是正する期間があったにもかかわらず「投票価値の平等の要請にかなう立法的措置を講じたとはいえない」として「憲法が要求する投票価値の平等に違反し、違法だ」と批判した。
県選挙管理委員会は「大変厳しい判決と受け止めている。国とも協議の上、今後の方針を決定したい」とするコメントを出した。