花文字で卒業祝う 西小、親子で製作 17年目


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親子の共同作業で「翼」の花文字を完成させた西小学校6年生ら=3月20日、伊江村立西小学校

 【伊江】伊江村立西小学校(古謝治校長)を卒業した27人と保護者が卒業式前日の3月20日、同校体育館で菊の花文字を作った。親子の共同作業は17年目となる。

 花文字は約8千本を使い、3時間かけて完成した。中央の一文字「翼」は児童が投票で決めた。提案した知念桃香さんは「卒業式の門出の言葉の中で『未来に羽ばたく翼』という言葉が出てきたのでいいと思った」と喜んだ。
 デザイン画は6年生の松本陽君の父、壮さんが担当し「みんなの成長を見守る城山と旅立ちを応援する思い、『翼』の文字の躍動感をイメージした」と話した。
 菊は6年生の保護者で菊農家の知念清さん、島袋勝春さん、阿波根孝尚さんから出荷の残りなどが無償提供された。
 「花文字」製作は、同村出身で伊江中学校校長を務めた宮城孝雄さんが在職中に発案し、伊江中で始まった。その後、西小で、宮城さんの長女が卒業する際に保護者として提案し続けられている。
 菊提供者の一人で、娘の卒業を見守る知念清さんは「長男の卒業式目前の3月に生まれた娘が卒業を迎えた。菊の出荷、卒業式と慌ただしかった当時を懐かしく思い出した」と話した。担任の古堅洋平教諭は「親子が一体になり卒業式を迎える気持ちが伝わる」と語った。(中川廣江通信員)