琉球海運、来春に台湾航路 県産品市場拡大にも


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琉球海運の台湾航路新設

 琉球海運(山城博美社長)は2014年5月から、台湾・高雄への定期貨物航路を新設する。既存の博多―那覇―先島の航路を延長し、1週間かけて九州と台湾を結ぶ。鹿児島港を新たな寄港地とし九州からの集荷も強化する。同社は台湾航路開設をアジア展開戦略の第1弾と位置付けており、将来的には香港や中国大陸への直行便開設も視野に入れる。

県内製造業者のビジネス拡大にもつなげたい考え。
 使用船舶は現在、博多―那覇―先島を結ぶ「みやらび2」(10,184トン)。3月23日の取締役会で正式に台湾への航路延長を決定した。社長の諮問機関で宮城茂専務を長とする台湾航路開設委員会を4月1日に立ち上げ、開設に向けた諸課題への対応に向けて取り組みを始めた。
 今後は、みやらび2の無線設備など外航仕様に改修するほか、台湾側の船舶代理店や集荷代理店の選定、寄港地の陸上バースの確保などを進めていく。九州の北と南で集荷していくための取り組みも強化する。宮城専務は「将来的には週に2~3便にし、台湾の先の中国大陸や香港も視野に入れる。県の21世紀ビジョンの国際物流拠点形成に極めて貢献できる。全日空のハブ基地と合わせて(航空便と海運を連携させた)シーアンドエアに発展することも可能だ。沖縄の製造業の皆さんにも、アジア展開ビジネスのチャンス拡大の契機となるのではないか」と話した。
 台湾航路をめぐっては、基隆や高雄への定期航路を持っていた有村産業が08年6月に破綻して以来、台湾航路の就航を求める声が根強くあった。破綻以来4年ぶりとなる12年5月に新発航運(台湾)が、那覇―石垣―基隆間に定期貨物船を就航。同年8月には南西海運(那覇市)も同区間の運航を始めた。(滝本匠)