「日本全体の屈辱」 県歴教協・平良氏、政府式典を批判


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4・28が持つ歴史的意味について講演する平良宗潤氏=17日、那覇市若狭の不屈館

 瀬長亀次郎氏が残した資料を公開する那覇市若狭の「不屈館」(内村千尋館長)は17日、「4・28に沖縄を考える―主権回復の日なのか?」をテーマに学習会を開いた。県歴史教育者協議会の平良宗潤委員長が講師を務め、歴史の視点から4・28が持つ意味について講演した。

 平良氏は4・28について沖縄にとっての「屈辱の日」、日本にとっての「主権回復の日」と対立的に議論されることに疑問を呈した。「日米安保条約と地位協定により日本全体が主権を失い、米国に従属することになった。4・28は日本全体にとっての『屈辱の日』だと自覚するべきだ」と指摘した。
 4・28の式典は沖縄が日本から切り離され日本全体が対米従属になったことを祝うものだと批判し「沖縄は副知事の代理出席をやめさせるか、式典自体の中止を求めるべきだ」と訴えた。
 不屈館では4・28に向けて、関連する資料を展示する特別展を17日から開催しており、その一環として学習会を実施した。特別展は6月23日まで。入館料は500円。火曜休館。問い合わせは同館(電話)098(943)8374。