久米島漁協、好漁場縮小に反発 日台漁業協定


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 久米島漁業協同組合(渡名喜盛二組合長)は18日、同島西方にあるマグロの好漁場で台湾漁船の操業を容認した日台漁業協定の合意を受け、久米島町議会に対し合意内容に強く抗議するよう要請した。同議会は22日にも抗議決議を可決する。

同漁協は「漁場競合の激化は避けられず、好漁場の縮小を余儀なくされる」と危機感を強めている。
 合意では久米島の西方約67キロ(東経126度)に線が引かれ、日台で漁場を管理するとした「特別協力水域」が設定された。しかし、現状は多くの台湾漁船が操業しているため同漁協の漁船はほとんど操業しておらず、以前から「最低でも久米島から100キロは離してほしい」と要望していた。
 関係者らによると、「特別協力水域」で台湾漁船がはえ縄を設置すると、西から東に流れる黒潮の影響で水域を越えてくる可能性もあるという。久米島西方37キロにはパヤオ(浮き魚礁)が設置されているため、漁業者らの懸念材料となっている。
 渡名喜組合長は、22日からの週に予定されている県や県漁連による東京要請行動に同行する。
 同漁協の宮里真次参事は「“久米西”は、本島の他の漁協や県外からも漁船が来る好漁場。台湾漁船を容認すれば地元漁業者の漁場がなくなる」と訴えた。さらに19日から本川一善水産庁長官が県漁連や宮古、八重山地域などで説明会を開催することに触れ「久米島には100人もの漁業者がいるのになぜ来ないのか」と強く批判した。