タブレットで遠隔授業 離島の学習環境向上へ


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タブレット端末を使いながら、東京にいる教師の授業を受ける子どもたち=13日、那覇市のてんぶす那覇

 琉球フィルハーモニー管弦楽団は13日、子どもたちがiPadなどのタブレット端末を活用し、遠隔地にいる教師と画面を共有しながら英語や数学を学ぶワークショップを那覇市のてんぶす那覇で開催した。

子どもたちはスクリーン越しに東京やロシアにいる教師が教える授業を楽しみながら受けていた。同学習方法の普及で離島などの学習環境向上を図るのが狙い。
 授業は生徒と教師が画面を共有したり、教師が解かせたい問題を生徒の端末に送ったりできるラーニング・マネジメント・システム(LMS)を活用した。同楽団の副指揮者で日本デジタル教科書学会監事の後藤正樹氏が開発した。
 英語の授業では教師が英語で話した内容に合わせて子どもたちが絵を画面に描き込んだり、見せられた絵について子どもたちが説明したりした。
 後藤氏は「沖縄は自然豊かで子どもを育てる環境としては素晴らしいが、高等教育が不十分なため、子どもたちが本土へ出て行ってしまいがちだ」と課題を指摘した。その上で「動画や放送で授業を受けて、分からないところを演習で解消していくことで離島などを含めた沖縄の学習環境の向上が図れる」と利点を説明した。
 ワークショップに参加した読谷村立喜名小6年の山村奏太君(11)は「指で絵を描いたものが先生のところでも見られるのがすごいと思った。先生が話している英語もきちんと聞けたし、楽しかった」と感想を語った。