【台湾】強行の実態報告 高江の米軍ヘリパッド建設工事


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台湾で、高江の基地問題の現状について話す関係者ら=台北市

 台湾で沖縄の基地問題を伝える「沖縄高江のヘリパッド建設を考える団体in台湾」はこのほど、台北市で「東アジアの米軍基地に向き合う―台湾から沖縄・高江の声を聞く」と題する交流会を開いた。

台湾と沖縄から約100人が参加した。交流会は東村高江の現状を台湾に伝えることを目的に開催され、ヘリパッド建設現場での座り込みに関わる3人が建設反対への思いを語った。
 高江から参加した石原岳さんは2007年から続く住民の反対運動と、沖縄防衛局の工事強行の実態を説明した。福岡県から高江に足を運び、活動を支援する沖縄出身の仲村渠政彦さんは「東アジアに住む人たちが国境を越えて行き交い、それぞれの課題と運動の現状、歴史を学び合い、共有できる問題を探り合うことに意義がある」と強調した。
 座り込みにたびたび参加する大学生の友寄元樹さん=那覇市=は「交流会の参加者を含め、台湾の社会運動には若い人が多い。沖縄の運動は、台湾に学ぶところがある」と話した。
 3人の話を聞いた台湾の歴史研究者・曽健民さんは「国家という巨大な勢力の暴力の下、生活のために長期にわたる抵抗運動を続け、絶望的な状況の中でも希望を持ち頑張り続けていることに大変感動した」と感想を述べた。
 交流会を企画した団体は台湾在住の留学生・宮平杏奈さん(26)=那覇市出身=が12年8月、沖縄の基地問題を台湾で広めることを目的に、十数人の台湾住民らと立ち上げた。宮平さんは「思っていたより多くの人が沖縄、台湾の米軍と米軍基地の歴史に興味を持ってくれているんだと感激した」と喜んだ。
 同団体は、3月17日にも台北市で「沖縄と台湾の米軍基地」と題した討論会を開いた。