八重山で抗議集会 あす「4・28」沖縄大会へ気勢


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
政府の「主権回復の日」式典開催に拳を上げて抗議する参加者=26日午後6時半、石垣市の新栄公園

 【八重山】サンフランシスコ講和条約が発効された4月28日に政府主催で開かれる「主権回復の日」式典に抗議する「4・28政府式典に抗議する『屈辱の日』沖縄大会」が、28日午前11時から宜野湾海浜公園で開催される。

沖縄大会に先立ち、石垣市の新栄公園では26日夕、政府式典に抗議する「屈辱の日」八重山大会が開かれた。会場に集まった約200人の市民らは、沖縄や奄美、小笠原が切り捨てられた「屈辱の日」を祝おうとする政府の姿勢に「県民感情を逆なでするだけだ」と抗議の意思を表明。28日の沖縄大会成功に向け、気勢を上げた。
 主催者を代表してあいさつした長浜信夫石垣市議は「4月28日は日本の独立と引き換えに沖縄が切り離された屈辱の日だ。沖縄は米軍の支配下で土地を強制的に取り上げられ、本土から縮小、撤退した米海兵隊も移駐してきた」と強調。「主権回復式典は沖縄の現状を顧みない暴挙で理解できない」と怒りの声を上げた。
 八重山の首長で唯一出席した川満栄長竹富町長は「日本は沖縄の犠牲の上で繁栄した。このことを知ってもらわないといけない。小指の痛みは全身の痛みだ」と訴えた。
 地域代表として登壇した大浜公民館の前津英次館長(64)は「米側に一次裁判権という特権を与えた日米地位協定は、いまだに県民を苦しませている。県民の心を踏みにじる政府式典に断固抗議し、沖縄大会が成功するよう頑張っていく」と宣言した。青年代表の長浜秀樹さん(32)は「安倍総理は歴史を知らない若い人が増えたと言うが、知っていて式典を開催するのなら資質が問われる」と批判した。
 大会では「沖縄が切り捨てられた『屈辱の日』に式典を行うことは、基地の過重負担を黙認し、県民の心を踏みにじる」として、式典中止を求める決議を採択。参加者は「がってぃんならん!」の文字が印刷された紙を手に、抗議の意思を示した。