「人間の尊厳」求め 100人委員会が結成総会


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「4・28『主権回復の日』政府式典に対する抗議声明」などを採択する「沖縄の平和創造と人間の尊厳の回復を求める100人委員会」の結成総会=27日午後、那覇市西の県男女共同参画センターてぃるる

 沖縄が抱える問題解決を目的に大学人や有識者が結集し、政策提言などを行う「沖縄の平和創造と人間の尊厳の回復を求める100人委員会」が27日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで結成総会を開いた。参加者は約120人。設立経緯の説明や趣意書読み上げなどを行い、委員会の始動として「4・28『主権回復の日』政府式典に対する抗議声明」「辺野古新基地建設に反対する声明」などを採択した。

大田昌秀元知事(琉大名誉教授)の基調講演も行われた。
 呼び掛け人の高良鉄美琉大教授は「尖閣問題が発生した時、強い危機感を覚えた。主権以前に自分たちの生活に直結する問題だ。沖縄からの発信が重要になると思った。シンポジウムや提言を開いて、沖縄が抱える課題に対応したい」と今後の方針を語った。
 政府式典への抗議声明では、日本本土の主権回復と引き換えの結果が沖縄の現状につながっていると指摘した。安倍政権が式典を「戦後民主主義の遺産を抹消し、戦後日本の国家像を改変する一大セレモニー」を目的に開催することに触れ「われわれは非軍事化の道、共生共存、自主自立の道を強く、深く模索しなければならない」と訴えた。
 同じく呼び掛け人の大田元知事は講演で「沖縄の人は人間ではなく、何かを達成する手段、モノとして扱われてきた」と指摘した。その上で「今年は政府が強硬に負担を沖縄に迫る最悪な年になる可能性がある」と警鐘を鳴らし「声を上げなければ、容認するとの間違ったメッセージになる。危機的な時に100人委員会ができたことはうれしい」と期待を込めた。