「二人句碑」安和小に 故中村秀雄さんと妻・阪子さん


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 【名護】沖縄の俳句文学の発展に寄与した故中村秀雄さん=名護市山入端出身=と、妻で琉球新報カルチャーセンター俳句講師の阪子さん(86)=同=が郷里への思いを詠んだ俳句を揮毫(きごう)した「二人句碑」を、2人の母校でかつて教諭として勤務していた名護市立安和小学校に建立する計画が進められている。

阪子さんは「胸がいっぱいで、言葉がでない」と感無量の表情で語る。
 句碑の建立は阪子さんの教え子で句碑顕彰実行委員会の岸本一夫委員長らが中心となり、今年に入り建立に向けて活動を本格化。2人の教え子や俳句会などから、建設・記念誌費約300万円の寄付がすぐに集まった。3月に市教育委員会の許可を得て、同校の校庭に建立できることになった。
 句碑には中村夫妻の出身地、山入端を詠んだ句が刻まれる予定。8月に着工・完成し、10月に阪子さんのトーカチ祝いと併せて句碑除幕式を開催する。
 25日に同校で句碑顕彰実行委員会が行われ、阪子さんや地元関係者、教え子が集まり、句碑建立の具体化を喜んだ。
 建立予定地を確認した阪子さんは「母校というのがとてもうれしい。感謝の気持ちでいっぱい。子どもたちに自然の良さを伝えられたらいい」と目を細めた。
 句碑建立を受けて、同校での俳句指導・授業の実践の充実や俳句大会、俳句大賞の創設も予定されている。
 同校の卒業生でもある仲村志郎校長は「素晴らしい先輩の句碑が建つことはとても喜ばしい。学校や子どもたちにいい影響があり、特色ある学校教育に生かしたい」と語った。

句碑建立予定地前で笑顔の中村阪子さん(前列左から3人目)と関係者=25日、名護市立安和小学校
中村秀雄・阪子二人句碑案