「空手」「グスク」発信 豊見城城址 市が跡利用構想


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市独自の構想を発表する宜保晴毅市長(中央)ら=25日、豊見城市役所

 【豊見城】県立空手道会館(仮称)の建設が豊見城城址公園跡地に決定したことを受けて、豊見城市(宜保晴毅市長)は25日、独自でまとめた「豊見城城址跡地利用構想」を発表した。

全体を「グスク保全ゾーン」(約11・5ヘクタール)と「空手交流・活用ゾーン」(約6・5ヘクタール)に分け、「グスクの保全・活用」「空手道会館の整備」「県工芸会館(仮称)の誘致」を3本柱に整備を進める。
 市議会の承認を経て、市長の諮問機関として7月にも有識者らによる豊見城城址文化観光資源活用検討委員会を立ち上げ、同構想について検討する。
 同公園は岩崎産業(鹿児島市)が所有。2003年の休園後は営業再開されないまま現在に至っている。市は14年度内の開館を目指す県立空手道会館を中核に、豊見城グスクの城壁、城門の復元を含め公園跡地の整備を進めるため、市三役、担当課で構想策定に取り組んだ。
 私有地のため文化財調査が行われていない現状にあり、整備にあたっては地権者の同意を得て、文化財調査に着手するとした。県とも協議しながら市や県で土地を取得する方向で、一括交付金での事業採択を目指す。
 「歴史的雰囲気にあふれる『空手の総本山』の形成」「『伝統工芸文化』と『グスク、空手』の連携・発信」をコンセプトに、主要施設として空手道会館、グスクガイダンス施設、体験学習センター、民間宿泊施設、県工芸会館を想定。自然環境、歴史文化資源の保全などに配慮し、一括維持管理の枠組みを検討。検討委員会での協議に加え、市民の意見も反映していくとしている。
 会見した宜保市長は「県工芸会館もぜひ誘致したい。県とも協議しながら10年以内に整備を図り、市の活性化を目指したい」と語った。