バレーボールの第53回全沖縄中学校選手権大会最終日は29日、西原町民体育館で男女の準決勝と決勝を行った。男子決勝は佐良浜が西原東に2―0で快勝し、6年ぶりの優勝を飾った。女子決勝はあげなが松島を2―0で退け、2年ぶりの頂点に立った。
◆全試合ストレート勝ち/佐良浜
九州王者の誇りに懸け、負けるわけにはいかなかった。3月の九州大会で11年ぶりの優勝を飾った佐良浜が重圧をはねのけ、貫禄の全試合ストレート勝ち。「目の前のことをしっかりやればおのずと結果は出る」。濱川崇監督の言葉にも実感がこもった。
3連覇を狙う西原東との決勝。サーブで崩して相手が得意とするコンビバレーを封じ、安定したサーブレシーブから攻撃を組み立てた。第1セットで9連続得点するなど見せ場をつくり、左右のエース上原優人と石原聖哉はブロックを読んで鋭角な強打を連発した。
1月の新人大会は両エースの体力的な負担が響き、準優勝だった。「みんな練習からしっかり試合をイメージしてやってきた」と石原。走り込みに加え、レシーブや中央からのセッター攻撃を鍛えることで、プレーの幅が広がったという。
部員不足で2008年から休部が続いていたが、現3年生の入学で復活した。さらにメンバーは小学生時代に「佐良浜クラブ」で九州大会上位を経験した選手がそろう。佐良浜中OBで13年前に全国準優勝を経験した濱川監督も「2人の大砲を生かせる良いチーム」と総合力の高さを評する。
今年の目標を尋ねられた上原は「全国制覇です」ときっぱり。部員10人。島のヒーローたちの暑い夏が始まる。(大城周子)
◆身上の粘りのバレー披露/あげな
女子決勝は、あげなが県新人大会、九州選抜大会県大会に続いて松島を退けた。勝負どころで流れを変える地力の差を見せた。
第2セット、序盤から先行されて6―11となった場面。タイムアウトを取り、確認し合った。「ここのサーブレシーブ1本を丁寧に。自分たちのリズムをつくろう」。直後に主将の古謝亜梨沙がブロック2枚を抜くスパイクを決めると、そこから9連続得点で一気に形勢を逆転させた。
前監督の異動に伴い4月から指揮を執る比嘉聡監督は「戸惑いもあったと思うが、真剣にバレーに向き合ってきた成果を出してくれた」とたたえる。平均的に小柄なチーム。古謝は「みんながリベロの気持ちでプレーしている」と粘りのバレーに胸を張った。
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