地域を学び平和考えよう 浦添・港川小6年総合学習


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米軍牧港補給地区そばの古墓群を見学する港川小6年の児童ら=4月26日、浦添市城間

 【浦添】子どもたちに「地域に目を向け、地域で平和について考える」機会を設けることを目的に、港川小学校(崎濱秀一校長)の総合学習「平和について」が4月26日、市港川地域で始まった。

初めての取り組みで6年生約160人が、フィールドワークや地域住民への聞き取りを通して、普段暮らす町の戦前、戦後の姿を追い、今後担うこれからの町づくりについて考えていく。
 港川自治会(銘苅全郎会長)と連携し、地域での学習を通して平和について学び、10月ごろに学習の成果を発表する予定。米軍牧港補給地区と浦添の関わりを児童に解説した中で、銘苅会長は「基地がどうやってできたかを勉強しながら、返還後はどんな使い方がいいのか、考えてください」と問い掛けた。
 牧港補給地区のフェンス沿いにある、18世紀ごろに造られたと見られる「城間東空寿(あがりくうじゅ)古墓群」も見学。昔の浦添を今に伝える貴重な史跡だが、道路建設予定地にあることから取り壊しが決まっており、14年度中にも工事でなくなる予定だ。
 市教委文化課によると古墓群は、岩盤を直接彫り込んで形成された墓が多いことが特徴。立地する一体がマチナト石灰岩と呼ばれる、加工が容易な岩盤でできていることが大きな要因だという。遺骨を安置する墓室内にシルヒラシと呼ばれる、遺体を数年間さらして骨にする場所もあり、昔の琉球の風習を感じることができる。自治会役員のガイドで戦前・戦中の住民の生活や、墓の壁に刻まれた弾痕を見て戦争の激しさを学んだ。
 玉那覇佑歩さん(11)は「銃弾を受けたお墓だが頑丈だなと思った。銘苅会長の話もあったように、基地が返還された後の使い方を考えたい。大切に使いたい」と話した。