値上げ交渉難航 那覇空港新国際線ビル使用料


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 2014年供用開始の那覇空港新国際線旅客ターミナルビルについて、整備している那覇空港ビルディング(NABCO、花城順孝社長)と国際線を就航する航空会社で組織している那覇空港国際線連絡会(AOC、井上裕司代表幹事)が使用料金の値上げなどについて折り合いがつかない状態にあることが、1日までに分かった。

NABCOが提示した金額は、一般共用施設料などを含め現在のターミナルと比べると、約3倍高くなる見込みだ。
 料金についてのNABCOとAOC両者の交渉は12年3月から始まっており、今年も既に3回の協議があったという。AOCは新料金について「航空業界を取り巻く環境や沖縄の市場は非常に厳しい環境にある中、航空会社の収益向上、維持は難しいのが実情」としている。今後料金の調整および軽減が見込めない場合は、「減便・運休となる可能性もある」と説明している。
 新ターミナルビルは民間投資と税関・出入国管理・検疫(CIQ)施設の総建設費用は約80億円。電光掲示板の新設やベルトコンベヤーの拡充などを行う。延べ床面積は現ターミナルの約3倍。NABCOは25年で全額回収を目指している。
 NABCOは「新ターミナルビルへの投資回収や今後の拡張計画などを図り、さらに現在にない機能も設置される」とし、各航空会社へ新料金について理解を求めている。現在同社は全国の他の空港の使用料金について情報を収集。適正価格を定めていく。「新ターミナルビルの供用開始前に決着したい」としている。
 AOCは新ターミナルビルの使用料金を引き下げるため、NABCOに対し、利用者から空港施設利用税の導入を要求した。現在NABCOは県や日本旅行業協会などと協議している。
 県は使用料金の折り合いがつかないことを把握しており、琉球新報の取材に全国の空港ターミナルの状況などを調査し「悪い方向に発展しないようサポートしていきたい」と述べた。(呉俐君)