「体験者として命を宝にする」 知念松吉さん、戦艦「日向」の惨状記録


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 【南城】南城市佐敷に住む知念松夫さん(63)の父・松吉さん(享年75)が住んでいた那覇市の家からこのほど、太平洋戦争で使用された戦艦「日向」の写真が見つかった。裏には同艦の出発から最期までの記録が、松吉さん自身によって記されている。また、同様の内容が書かれた手記も見つかっている。

 松吉さんの家を取り壊す際に見つかった。海軍兵として、同艦に搭乗していた松吉さんは、1996年に「レイテ沖海戦と戦艦日向の最期」と題した手記を残していた。
 手記では、44年に同艦に出撃命令が下ったことから始まり、レイテ沖海戦での惨状など、当時の生々しい情景が書かれている。
 知念さんも父親から「戦争は本当に悲惨で大変だった」と生前から聞いていたという。
 最後に「犠牲となり散っていった方々の冥福を祈り、恒久平和を願う」「生きている限り人命の尊さを知る、貴重な体験者の一人として、命を宝にし、健康を念ずる」と締めくくっている。
 知念さんは「父も思うところがあって、大事に保管していたんだと思う」と話した。

英文へ→Notes written by crewman on photograph of Japanese battleship Hyuga found

父・松吉さんが大切に保管していた戦艦「日向」の写真を持つ息子の知念松夫さん
額縁の裏には、戦艦日向の出発から最期までが記されている