問われる憲法の意義 県内各地で集会


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東村高江のヘリパッド建設反対運動を描いた県内の大学生による朗読劇「私(ワン)の村から戦争が始まる」=3日午後、那覇市民会館

 憲法記念日の3日、県内では各地で日本国憲法や改憲問題について考える講演会、集会が開かれた。改憲が現実味を増す中、県民が憲法についてあらためて考える一日になった。

 那覇市の那覇市民会館では2013憲法講演会(主催・県憲法普及協議会など)が開かれた。東京大大学院の高橋哲哉教授は講演の中で「多くの日本人の本音は、憲法9条があるけれど、軍備をなくすのは不安で、攻められたら困る。自分たちは戦争したくない、米軍にいてもらわないと困る。でも基地が家の周りにあるのは嫌だ。今は沖縄に集中しているから、それならいいという考え方がある」と指摘。「安保を必要としている本土が、基地の負担を引き受けるのが筋ではないか」と話した。
 同講演会では県内大学生による、東村高江のヘリパッド建設抗議運動を題材にした朗読劇も行われ、集まった1400人(主催者発表)が憲法について考えた。会の最後には「沖縄を基地の島から平和の島へと変えるため、一人一人が人権と平和、国民主権を守ることの尊さを確認し、96条改悪を許さず、平和憲法の理念をしっかりと普及させていきます」との憲法宣言を読み上げた。
 一方、自主憲法制定沖縄県民会議(西田健次郎会長)も同日、宜野湾市で「第8回新しい憲法をつくる沖縄県民の集い」を開き、約70人が参加した。近大姫路大の東裕教授が講演で「今の憲法で日本を守るには不十分だ」と改憲の必要性を主張した。