妊婦は人混み避けて 県、風疹流行で注意喚起


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年齢別・風疹の予防接種状況

 東京など大都市を中心に過去5年間で最大級の患者数が発生している風疹(三日はしか)について、県福祉保健部は、連休期間中の妊婦の人混みへの外出を控えるよう呼び掛けている。

妊婦が感染した場合、妊娠4週以内なら30~50%、8週以内なら25%の高い確率で難聴、心疾患、白内障、発達遅滞などの障がいのある先天性風疹症候群の子どもが生まれる恐れがある。同部は妊娠適齢期の20代から40代の女性とその家族にワクチン接種を勧めている。
 県内の患者数は2日現在、11例と少ないが、首都圏から大勢の観光客が訪れる連休期間中に、感染が広がる可能性がある。
 全国の患者数は4月24日現在、4763人で昨年1年間の2392人を上回る勢い。
 患者はワクチン接種機会がなかったか、回数が少なかった20代から40代の男性に多い。風疹はせきやくしゃみなどから飛沫(ひまつ)感染し、発疹、発熱、リンパ節の腫れなどが出る。
 現在、小学校入学前までに2回、公費で接種機会がある。それ以外は自費負担での接種で、費用は1回1万円前後。接種歴がはっきりしない場合も再接種できる。2回接種の方が効果が高く、妊娠を希望する女性は接種後、約3カ月は避妊が必要だ。
 県医師会の玉井修理事は「発疹やリンパ節に腫れがある人は、妊婦に近寄らないでほしい。症状のある人は連休中の外出は控えた方がいい」と注意を促している。