日台漁業委 「まずはルールを」 県内関係者、状況悪化を懸念


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 7日に台北市で開かれた日台漁業委員会は、合意水域内での具体的なルール作りができないまま、双方物別れに終わった。合意後、政府から「一定のルール作りをして、沖縄の漁業者にとって良い部分があるものにしないといけない」(江藤拓農林水産副大臣)と説明を受けてきた県内の漁業関係者らは、このまま10日の合意水域適用を迎えることになり、一様に怒りと不安の声を上げた。

 県漁業協同組合連合会の国吉真孝会長は「厳しい結果となった。操業自粛とルール作りは別次元の話だ」とした上で「お互い合意水域の線引きには調印しているのだから、まずはルール作りが必要だ」と指摘。「台湾側は合意内容を基準にしている。今までよりも状況が悪化する」と強い懸念を示した。
 県水産課の新里勝也課長は「しっかりとしたルールができることを期待していたが、今回のことは想定外」と困惑。「既にマグロ漁は始まっている。(10日の適用前に)県内の漁業関係者らとトラブル回避に向け早急に協議を持ちたい」と話した。
 島の西方に「特別協力水域」としてマグロの好漁場を抱える久米島漁協の宮里真次参事は「遺憾としか言えない」と落胆した。
 「このまま合意水域を適用したら、私たちが操業できなくなる可能性もある。もう怒るしかない」と語気を強めた。