那覇―香港航路の社会実験へ 那覇港組合


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香港直航路の社会実験

 那覇港管理組合は、2011年8月まで運航されていた那覇港―香港直航路の再開を視野に入れた社会実験を秋ごろをめどに開始する。直航路を結ぶことで輸出量が増大し割高だった物流コストの低減化を図ることが狙い。

県内経済界から直航路を求める声が強く、今回の社会実験で課題を洗い出しながら、県産品の新たな販路開拓を目指す。
 10年度から行われてきた那覇港物流ビジネスモデルを踏まえて事業を展開する。
 6月で終了する同ビジネスモデルは、少量の貨物を一つにまとめて輸送する仕組みづくりを行ってきたが、今回の事業では直航路を展開することで全体的な貨物量を増やす。
 また、既存の香港への航路は、サイパンやグアムを経由するため最長で2週間程度かかる。直航路になると2~3日間に運航日数を大幅に短縮できるため、それに伴い賞味期限のある食材などを運びやすくなり、新規販路拡大に結び付きやすくなる。
 香港で商品展開を手掛けるオリオンビールは「直航路開設になれば非常に助かる。香港は中国の入り口なので消費拡大につながる。缶ビール以外の樽生など、今まで出すことのできなかった商品も新たに展開していくことができる」と期待を込める。
 那覇港では、輸入が多い一方で輸出量の少なさが問題視されてきた。同組合は直航路だけでなく、那覇港から初めて商品を出荷する企業や、前年度より貨物量を増やす企業に対して新たに掛かる費用負担の軽減措置を行い、さらなる貨物量拡大を狙う。
 同組合企画建設部の担当者は「航路が多い方が企業にとって望ましい。社会実験では週1便出していきたい」と話している。
 同組合は、業務を請け負う土木関係建設コンサルタント業者を公募している。問い合わせは同組合(電話)098(868)4544。
 (阪口彩子)