公立中8割で空手 体育の「武道」授業


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
体育の授業で選択されている武道

 2012年度実施の新学習指導要領で必修となった保健体育科の武道のうち、県内公立中学校の83・4%が沖縄伝統武道の空手を選択していることが県教育庁のアンケートで分かった。

武道は柔道、剣道、相撲の3種目からの選択を規定し、その他の武道は地域の実態に応じて履修できると指導要領で定めている。このため他県は3種目からの選択が大半となっており、教育庁によると3種目以外の武道が大半を占めているのは沖縄県だけという。空手以外にも5校が沖縄角力を選択しており、沖縄伝統武道の人気ぶりがうかがえる。
 同庁保健体育課は県内学校の大半が空手を選択したことについて、同庁が10年度から各学校に地域の伝統文化を体育の授業に取り入れるよう指導してきたことなどが背景にあるとみている。
 調査は昨年11月、県内の全公立中学校151校を対象に実施し、必修となった武道とダンスについて質問し、全校から回答を得た(複数回答)。武道は「空手」を全体の83・4%にあたる126校が選択した。他の種目は「柔道」13校、「剣道」9校、「沖縄角力」5校、「相撲」3校、「その他」2校となった。
 ダンスはロックやヒップホップなどの「リズムダンス」が95校で62・9%と最多となり、次いでエイサーや琉球舞踊など「郷土の踊り」が73校で48・3%だった。以下「創作ダンス」62校、「フォークダンス」31校、「その他」4校と続いた。
 武道に関する設備や備品の整備状況について63%が「不十分だと感じる」と回答し、武道場が整備されている学校も34・8%にとどまっている。
 同課は「体育の授業を通して地域の伝統文化に触れ、その精神や基本姿勢を学んでほしい」と話した。