退学 処分前に報告を 県教育庁、全県立高に通知


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 校内で性行為をしたとして退学処分にした学校側の判断は違法とした1月の那覇地裁の判決を重く見た県教育庁が、全県立高校に対し、退学処分を下す前に同庁に報告・相談するよう通知したことが、10日までに分かった。

同庁県立学校教育課は「退学処分は学校が下す最後の処分だ。処分権限は校長にあるが、処分前に指導をやり切ったかなどを県教育庁でも確認していく」と説明した。
 通知は「生徒の問題行動に係る懲戒規定の運用において、不適切であった旨の判決を受けたことから、見直しを図る必要がある」としている。さらに指導継続の可否、類似の問題行動をした他の生徒との処分内容のバランスなどについて県教育庁から高校側に助言、提言していくことを伝えている。文書は3月12日付。
 県教育庁のみで判断が困難な場合、弁護士などを交えた第三者委員会「学校問題解決支援チーム」に助言を仰ぐ。一方、退学処分を決める前に、生徒や保護者に弁明や反論の機会を十分に保障し、弁明内容について何度も検討することなどもあらためて求めている。
 那覇地裁はことし1月、校内での性行為を理由に退学処分にした学校側の判断について「校長は裁量権を逸脱しており、違法だ」とする判決を下した。学校側の、性行為を理由にした退学処分の文書は「処分の後に何らかの意図をもって作成されたもので、事実を記載したものとは認めがたい」とし、性行為はなかったと判断した。(当銘寿夫)