社会

パリで沖縄文化発信 愛好家たち歌三線

三線の練習に励む(右から)シルバン・ベラールさん、フローリアン・ブリカールさん、鈴木聖子さん、本間彩さん=4月28日、パリ市内

 パリに暮らすフランス人と日本人の三線愛好家たちがフランス各地で開かれる催しで歌三線を披露している。2009年から週1、2回の頻度で稽古を重ね、民謡を中心に歌三線の技術を磨くメンバー。「誰もが気軽にリズムに乗り、楽しめる」とその魅力を語り、イチャリバチョーデー(出会えばきょうだい)の精神で沖縄文化の発信に取り組んでいる。

 パリの人々がコートに身を包む4月下旬。フローリアン・ブリカールさん(29)の自宅に、メンバーが集う。「安里屋ユンタ」「汗水節」などを歌い、時折、軽快な三板(さんば)の音も加わる。活動メンバーは現在8人ほど。イラン人の参加者もいて会合は多国籍だ。沖縄で歌三線を学んだ人もいれば、パリで初めて触れた人もいる。
 ブリカールさんは02年に初めて沖縄を訪れ、三線と出会った。沖縄に2年間暮らす間、八重山民謡を大工哲弘さん、沖縄民謡を那覇市の「ちんだみ工芸」の比嘉健琉さんに師事した。帰国後は在フランス日本大使館に勤める。
 日本語ガイドのシルバン・ベラールさん(31)は大学時代の友人ブリカールさんに誘われ、06年から三線を始めた。11年に沖縄を訪れ、自らの手で三線も作った。東京都出身の鈴木聖子さん(42)は日本在住中、宮城県出身の本間彩さん(29)はパリで三線を始めた。
 これまで日本文化を扱うイベント「ジャパン・エキスポ」やチャリティー会場、日本文化を学ぶ地元大学生などを前に披露してきた。
 鈴木さんは脱原発運動の会場で演奏し、会場参加者がカチャーシーを踊ったことが印象に残る。「(沖縄戦の体験を歌った)屋嘉節のように、平和への願いが込められた民謡をもっと伝えたい」と語る。
 ブリカールさんの目標はパリで三線の団体を立ち上げることだ。「沖縄から指導者を招かないと、古典の練習は無理がある。多くの師匠を呼ぶため組織化を目指したい」。パリと沖縄を三線の糸でつなぐため、メンバーは稽古に励む。(島袋貞治)

英文へ→Sanshin fans promote Okinawan culture in Paris