【交差点】カジノプロジェクト1


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 ごみのポイ捨て罰金、チューインガム禁止など、厳しい規制で知られるシンガポールでカジノが建設されることは本紙面でも紹介したが、ついにカジノプロジェクト2カ所の開発業者選定を終え、大規模プロジェクトが動きだした。ただ、カジノといってもシンガポールではカジノを総合リゾート計画として扱っており、単にギャンブルを提供するだけでなく、総合レジャー施設として規模とイメージの向上を意識させる演出を行っている。
 金融街近郊のビジネスマン向けのマリーナプロジェクトは、国際会議場、展示会場、ホテルを備え、ビジネスマンをターゲットとした巨大カジノビジネス施設でオープンは2009年予定である。
 ファミリー向けのセントーサ島プロジェクトではテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ」や大型水族館を取り入れた巨大カジノリゾート施設で10年オープン予定である。特にユニバーサルスタジオは今後30年間、他の東南アジア地区に同施設を建設しないことを契約で明記しており、シンガポールに取り魅力ある内容となっている。
 シンガポール政府はこの2つの大型施設をてこに、海外観光客を15年までに現在の2倍となる1700万人、観光収入を3倍の300億シンガポールドル(約2兆3000億円)に拡大させる野心的計画を立てており、アジア地域でディズニーランドを有する香港、カジノで有名なマカオなどとの観光客争奪戦が白熱しそうだ。
 (遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)