那覇市は、全市立小学校37校で3年生の「算数」を対象に学習支援員を配置することを決め、14日から支援授業を開始した。一括交付金を活用した事業。新たな学習項目が多く、つまずきやすい小学3年の算数に限定した。県教育庁によると、学習支援員の配置事例は多いが、特定の科目に限定した取り組みは珍しいという。
那覇市教育委員会学校教育課によると、同事業は基礎学力向上に向け2012年度に開始した。同年度は9月から21校に配置。学校現場から好評だったため、13年度の全校配置を決めた。12年度は一括交付金約950万円を充て、13年度は約3800万円の予算を計上した。13日に学習支援員と教頭への説明会を開き、早い学校では14日から支援員が活動を始めた。
学習支援員は1クラス当たり週5時間を担当する。担任の授業の補助や、放課後の補習など、活動内容は学校の裁量に委ねた。約40人が2月末まで勤める。
神原小では16日、3年2組(29人)でクラスを分け、丁寧な指導が必要な児童を支援員が担当し、ほかの児童を担任が見た。支援員の国吉夏希さん(24)は「3年生になるとレベルが上がり、算数に苦手意識を持つ子が多い。担任だけでは手いっぱいになるので力になりたい」と語った。當山結斗(ゆうと)君(8)は「先生が優しくて、分かりやすい」と喜んだ。
古蔵小の宮里晋教頭は「3年生は小数、分数、割り算も加わり、やることが多い。支援員がいることで丁寧な指導ができる」と取り組みを評価した。(関戸塩)